tennouma

天の馬 地の馬

ちらし天の馬003.jpg何もしない機械
 アートとテクノロジーが渾然一体としていた時代の精神性にひかれると、中里繪魯洲はいう。彼がいうと、その時代は一種のパラダイスだったのではないかと思えてくるから不思議だ。繪魯洲は今の時代から何かを回復させようとしている。その何かとは、エロスであり、夢が際限もなくひろがっていくようなアートだ。
彼は過激である。何故なら、アートとテクノロジーを渾然一体とさせるといいながら、何の役にも立たない機械をつくるからだ。どういう音をだすかわからないチャンプルマシーンとか、本当に音が出るのかどうかわからない水龍遊戯界とか、これこそ何もしない風に立つ巨人などだ。何もしないのではなく、私たちの精神に響く装置が、実は彼の作品なのである。最初は奇妙な響きが、やがて澄んだ音色になってくるだろう。
立 松 和 平

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